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April 20, 2005

世界中の携帯電話会社が音楽市場を狙っているらしい

 Mac Rumorsの4月19日付け記事「Apple vs. Wireless Carriers?」経由で、BusinessWeekの4月25日付け(?)記事「iPod Killers? -New rivals take aim at the champ」を読む。かなり面白かった。

 今、欧米の携帯電話関連会社は、キャリアも端末メーカーも含めて、どうやって音楽配信ビジネスに参入するかを模索しているらしい。そして、その行く先は、どうやら日本の着うたとは違う方向へ向かっているみたいだ。

 まず、MotorolaのiTunes対応端末が下手すると頓挫しそうな状況で、その理由はやはり、音楽データの配信経路が携帯電話回線じゃないことにあるらしい。インターネット経由だとキャリア側が全然美味しくないんだよね。で、今後これに関してはどうなるか不透明なまま。

 次に問題になっているのがサービス価格。Verizon、Sprint、Cingularが当面考えているサービス価格は1曲あたり2ドルらしい。これだと、iTMSあたりの1曲99セントという相場に対して倍以上。それでもキャリア側は客がつくだろうと考えているらしいけど、さすがに記事では「Do they think people are that dumb?」と指摘があるように、ちょっと商売として難しい感じ。

 じゃ、キャリア側が1曲1ドルに設定したらどうなるかというと、今のiTMSよりは儲けが大きくなるらしい。その理由は、キャリアはすでに電話料金の徴収システムを持っているので、クレジットカード会社等に払う手数料分を省けるからだそうだ。なるほどねぇ。

 その他、具体的な事例として、韓国のサブスクリプション制サービスが今のところ調子が良いという話を挙げていて、今後の可能性を探っている。この「携帯電話+サブスクリプション」という手法は、そのまま進化していくと、CATVやCS放送みたいなペイTVのラジオ版になる可能性もありそうだ。現に、ちょっと違うけど、iRadioなんてアイディアも出てきてる。

 欧米の場合、すでにiTMSという商業的に成功した先例があり、CDに曲を焼ける等、DRMは程々に緩いものであることが常識となっているため、携帯電話端末だけで完結してしまうシステムは無理があるというのが共通見解。そこで、今後はどうやって携帯電話を通じて買った音源を他へ移動できるようにするかがビジネスモデルの落としどころになるらしく、既にそういうシステムの準備も始まっているようだ。このあたりの考え方は、着うたと全く異なっていて、今後どう発展していくのか気になるところ。



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