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January 26, 2005

レコード会社の明るい未来を考えてみる

 先日、「音楽ネット配信、2億曲超す・2004年の欧米」なんてニュースがあったと思ったら、その後立て続けに「iTunes Music Storeからのダウンロード件数、2億5,000万曲突破」や「Napsterも今や頼みの綱——オンラインを受け入れ始めた音楽業界」なんていう報道があった。

 こんな状況を見ていて、ふと今のレコード会社というシステムにはどんな未来があるのかを、頭が悪いなりに考えてみた。

 レコード会社を業種で分類すると、実は、製造・販売業になる。つまりメーカー。CDやDVD等のパッケージ製品を作って、それを売って儲けるのが生業だ。

 だから、物理的なパッケージが無くなり配信だけが音楽ソフトの流通手段になってしまうと、レコード会社はその存在価値が無くなってしまう可能性がある。特に、原盤権を全く持っていないようなレコード会社の場合はかなりヤバイ。配信だけなら、原盤所有者はわざわざレコード会社を頼ってパッケージを作る必要がなく、直接配信会社と交渉すれば良いのだから。

 さて、現行のレコード会社の組織構成で、一番重要かつ人的資源を投入している部署は宣伝と営業になる。宣伝はメディア(=紙と電波)、営業は流通(=店)をそれぞれ担当し、とにかく体育会系なノリで「次のイチオシはこれ、よろしくお願いします」的なかけ声と共に、半ば人海戦術をとって、プライオリティの高い商品(=ミリオンセラーを目指す作品)をプライオリティの高いところ(=人気のある雑誌、番組、店)へいかに上手に突っ込むかが勝負となる。

 しかし、既存メディアの持つ宣伝効果が疑問視され、店で売れない時代になってきた現在、そういう仕事のやり方は曲がり角に直面している。さらにネット配信が主流になってしまえば、事情は大きく変わってしまうだろう。その結果、大きなビルに宣伝・営業要員を何十人も抱えるという会社運営は、人件費の莫大な無駄遣いだけということにも成りかねない。

 また、実はここ10年ぐらいで、大手レコード会社の多くは、人件費削減という名目のもと、制作関連の部署をドンドン縮小して、極端な話、制作は社員ゼロで全部外注みたいな状態にまで効率化してきた。確かに制作という仕事は非サラリーマン的だし、日本の会社管理システムとは相容れないものなのかもしれない。でも、結局は良いカタログが無いと商売にならないことは分かり切っているし、それを実現できるのは宣伝や営業の仕事じゃなく、制作の仕事だったりする。バブルがはじけた今となっては、制作部署のリストラはかなり微妙な人事戦略だったと言えそうだ。

 そして、今後レコード会社の中で一番重要かつ花形ポストになるのは、今まで地味であまりスポットライトが当てられなかった法務関係の仕事だろう。どの権利を誰が持っていて、それをどうすれば高く売れるかを考えるのが音楽ビジネスの中心になるし、パッケージが無くなってしまうと、そういった権利のやりとりでしか金は動かなくなる。そういう意味では、音楽の良し悪しが判っていて、しかも法務関係に明るい人間にこそ大きなチャンスがあるはずだし、逆にそういう人がいない会社はヤバイ。

 おそらく、これからの音楽産業の中で、現行の製造・販売業としての「レコード会社システム」はフェードアウトしていくはずで、替わって主流になるのは、各種の権利をコントロールする音楽出版業務と、パッケージ/ノンパッケージ(配信)を統合したソフトの流通システム、そして、アーティストのマネージメント業務あたり。そうなると、現在一番美味しいポジションにあるのは、レコード会社ではなくて大手芸能プロダクションになるのだけど、個人的にはそれじゃ面白くないので、全く新しいシステムの登場を期待したいところ。

 AppleのiTMSがそういうことをやるかどうかは定かじゃない(おそらくAppleはやらないと思う)けど、既存のレコード会社とは異なるバックグラウンドを持った音楽配信会社あたりが、アーティストの原盤制作やライブ活動に対して直接投資するような事態が絶対に起きるだろうし(初期のナップスターはそれに近いことをやろうとした)、そうなったとき、新しい音楽が生まれるのかもしれない。ちょうど、70年代後半から80年代にかけて、それまでになかったインディーズレーベル(ヴァージンとかラフトレードとか)が勃興して、その後の音楽シーンの流れが大きく変わったように。



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