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September 01, 2004

参加型音楽配信コミュニティ「recommuni」

 先日、高橋健太郎さんが思わせぶりな発言をしていた新しい音楽流通手段が、ようやく具体的に発表された。ソーシャルネットワーキングをベースにしたシステムなんだそうだ。趣旨を読む限り、その目指す理想は理解できるけれど、現時点ではどう評価して良いのか判らないというのがオレの率直な感想。

 幸か不幸か、recommuni関係者の中に直接知っている人がいなくもないので、その誰かに連絡してお願いすれば、オレは仲間に入れてもらえるのかもしれない。しかし、オレがもし田舎に住んでいて、誰も親しい友達がいないような中学生だったらどうなんだろう? なんとなく自分の住む世界に違和感を覚えるけれど、それをわかりあえるような人間は周りに誰一人いず、心をなぐさめてくれるのは音楽だけみたいな状況では、音楽に対する欲求はより切実だ。そして、そんな境遇にある人間が、ソーシャルネットワーキング形式で展開されるrecommuniに参加できる可能性はかなり低い、というか実質不可能なんじゃないのか?

 最近インターネットな世界の一部では、やたらに「ソーシャルネットワーキング」というものが取り沙汰されているけど、一部の良心的な集いを除くと、なんだかオレは馴染めない匂いを感じてしまう。

 その昔、パソコン通信の世界でニフティーサーブという商用コミュニティーがあって、あれはそれなりに機能していたと思う。しかし、パソコン通信からインターネットというシステムに移り変わっていく過程で廃れてしまった。ニフティーサーブがどういうものだったかを知らない人に説明するのは難しいし、なぜ廃れてしまったかを考察するのも面倒なんだけど、一度も顔を合わせないままネット上だけで人々がコミュニティーを築いていくという方法論は、あの辺りが限界点なんじゃないかと個人的には思っている。

 なんだか、否定的な雰囲気の話ばかりになってしまったけど、希望を感じる部分もあるので、オレとしてはまずは静観という立場です。



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