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September 04, 2004

ナッシュビル・ストリンギングの話

 ストーンズの「Sticky Fingers」に収録されている「Wild Horses」を聴いていて、そう言えばこのギターはナッシュビル・ストリンギングだったっけなどと唐突に思い出し、Googleで検索してみたら日本語では全然ヒットしなかった。で、色々検索してみたら、どうやら一般的には「ナッシュビル・チューニング」または「ハイ・ストリンギング」と言うのが正しいらしい。

 ナッシュビル・ストリンギングという言葉を知ったのは、キース・リチャードのインタビュー記事を読んだ時で、確か、キースにこの弦の張り方を教えたのはライ・クーダーだったような気がする。なので、もしかすると、キースがナッシュビル・チューニングとハイ・ストリンギングをごちゃ混ぜに覚えていて出来た言葉なのかもしれない。

 ともかく、Wild Horsesが醸し出す切ない雰囲気は、このナッシュビル・ストリンギングで演奏しているところに負う部分が多い。もちろん、ミックとキースのボーカルや曲自体が良いのは当然なんだけど。

 一応簡単な解説をしておくと、ナッシュビル・ストリンギングは、12弦ギターから低音を受け持つ奇数弦を端折ってしまった弦の張り方。初めて自分のギターをナッシュビル・ストリンギングにして弾いた時の感動はすごかった。なんていうか、ガラスを張りつめたギターを演奏してるような、そんな繊細でキラキラした音がする。

 昔のフォークデュオで「」というのがあったのだけど、彼らの演奏を間近で見る機会があって、やたらにキラキラした音がするのは、子供心にも「やっぱり高級なギターを使っているからなんだろうな」と感心した思い出がある。で、後年、ナッシュビル・ストリンギングを知った時に、手品の種明かしをされたような驚きとガッカリ感があったっけ(笑)。

 ナッシュビル・ストリンギングに興味がある人は、「ナッシュビル・チューニング」で検索してみてください。ナッシュビル・ストリンギングで検索しても、良くてこの記事しかヒットしないだろうから(笑)。ちなみに、英語だと「Nashville Stringing」でも若干ヒットします…。

 PS. どうでもいいけど、キース・リチャードも、「リチャード(Richard)」だったり「リチャーズ(Richards)」だったりするね。



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