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August 10, 2004

「ロスト・イン・トランスレーション」雑感 Part 2

 某所より仕入れた情報によると、サントリーは完成した作品を見て激怒し、協力はしていないとのこと(笑)。そういえば、舞台になったホテルのパークハイアットはクレジットで「特別協力」となっているけど、サントリーに関してはそういうクレジットが出てこない。

 この件、面白かったのでネット検索したら、微妙な言い回し(!)のパブリシティー記事を見つけた:
 監督は02年夏にプロデューサーらと東京・赤坂の本社を訪問。「父親と黒澤氏のCM話など、自分の家族との深いつながりもあり、高品質でソフィスティケートされている日本企業としてブランドを使用したいとのことでした」(宣伝担当者)。

 同社は企画の趣旨とストーリーを聞き、即日了承。作品はヒットし、アカデミー賞受賞も。同社も「名前とイメージの使用を了解しただけですが、世界的なヒットはとてもうれしく思います」と話している。
 もっとお洒落な形でとりあげられるのだろうと勝手に想像していたら、お笑いのネタにされてしまったのだから、社内で大問題になったんじゃないのかな? それでも、サントリー絡みのシーンを全部カットしろみたいな無理な注文はしなかったようで、このあたりはやはり太っ腹と言えるかも。しかし、これから当分の間、サントリーは外国映画への協力をしなさそうだ(笑)。

 あと、夫馬信一さんという方が書かれた映画評の中で、「大林宣彦がCFディレクターだった頃の逸話」というのがあって、これが面白い。ロスト・イン・トランスレーションでのCF撮影はあくまでもフィクションだけど、現実も似たようなものだったりする訳だね。

 それからビックリしたのは、本国アメリカで公開された時には、日本語台詞に対する英語字幕が付いていなかったという情報があった。意図的に日本語部分が意味不明な状況を観客に提示したかったという意図なんだってさ。しかし、それだと日本人が字幕付きを見る場合と、受け取り方が大きく異なりそうだねぇ。日本で公開するときには英語台詞部分の字幕無しが良かったのかも(笑)。まぁ、字幕という「トランスレーション」が入る時点ですでに「ロスト」な状況だったりするのだけど…。



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