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June 22, 2004

例のレコード輸入権はノンパッケージにも適応できるんだっけ?

 ITmediaで、「PCを『おもちゃ』と見る韓国人、『情報ツール』と捉える日本人——ネットゲーム普及のカギとは」という面白い記事があった。一見、音楽ビジネスとは関係なさそうだけど、実は音楽配信を考える場合、かなり関係がありそうな内容。

 とくに注目したいのは、後半で展開される海賊版ソフト市場の話。
海賊業者が横行する国では、パッケージソフト販売を中心とする家庭用ゲーム機市場が育ちにくい。パッケージソフトは海賊版が横行しやすく、ゲーム会社が参入に慎重になるためだ。
 これって、そのまま音楽ソフトにもあてはまる話。つまり、日本を含め世界中のレコード会社は現在、いかに中国で音楽ソフトを売るかを模索しているんだけど、どうやらパッケージじゃなくて、データ配信に重点が置かれたマーケティング展開になる可能性が大きい。

 あと、PCは遊ぶための道具と割り切れる感覚の方が、音楽配信にはプラスだろうと思う。

 そういえば、中国メーカーが全PCにiTunesプリインストールしたなんていうニュースもあったっけ。

 こういう状況から2〜3年先のことを考えると、パッケージビジネスを前提にした形でのレコード輸入権なんていう法律はあまり意味が無さそうだ。しかし、気を付けなければならないのは、あの法律がノンパッケージにも簡単に適応できるだけの曖昧な文言で成立しているような気がする点。

 世界的に音楽ソフトの流通がノンパッケージへ移行するような事態になったとしても(実際にはiTMSのヨーロッパ版開始でそれに近い状況…)、あの法律がある限り、日本は非常に閉鎖された音楽マーケットのまま、(悪い意味で)独自の世界を作り上げそうな予感がする。

 ちなみに、個人的にはパッケージありきなオタク(笑)なので、ノンパッケージでの普及がパッケージを淘汰してしまう状況がやってくるのも好ましくなかったりはするけど…。



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