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May 07, 2004

 自分の端末が非対応なので利用したことないのだけど、「着うた」を使っている人は割と多いんじゃないかと思う。で、下手すると、初めて持った自分専用の音楽プレイヤーは携帯電話ですなんていう世代も登場してるはず。

 で、バンバン着うたデータを買ってるような若者はスーパーリッチ(笑)なんだろうけど、実はそれってスゲー騙されてると思うんだよね。なぜかと言えば、日本じゃ利用できないけれど、アメリカのiTunes Music Storeみたいな配信サービスでは1曲が99セントだ(今の換算レートなら110円前後)。それに対して、着うたは、曲の一部分だけで50〜200円ぐらい。しかも曲のデータ代とは別にパケット代もバカにならない金額がかかる。音質だって、iTunes Music Storeのデータの方が良さそうだしね。これって変じゃない? 変だと思わないから着うたデータを買うのかな?

 極端な憶測をしてしまうと、着うたがビジネスとして上手くいっている間、日本のレコード会社は真面目に音楽配信するつもり無いと思うんだよね。だって、こんな風に音楽を切り売りにして、しかもアメリカでの1曲分よりも儲けが出るのだから、メーカーサイドからすれば笑いが止まらないはず。

 着うたの大きな功罪は、日本でも音楽配信ビジネスが成立することを音楽業界の偉い人達にも納得させることができたのと同時に、iTunes Music Storeみたいなユーザーにとってもメリットがあるような良心的な商売をする必要がないことも教えた点にある。これから1〜2年たって、皆が着うたに飽きて売れなくなったら、おそらく次を考えるんだろうな(笑)。

 新譜の宣伝用に無償配布しますみたいな形なら良いけど、着うたでも著作権に基づく楽曲使用料等が発生するから、それは結構難しい。本当は、著作権で「フェアユース」が保証されていて(日本の法律では保証されていない…)、自分が買った好きな音源を使って、着うたみたいな利用もできますよという形が一番良いのだけどね。

 何でこんなことを書いたかと言うと、日本の音楽配信ビジネスにおけるカギが携帯電話だと発言してる人がネット上で割と目立つから。きっかけとしては良かったけど、携帯電話会社や音楽業界の思惑と利権がすごく絡んでいて、ちょっと胡散臭いから個人的には賛成しがたいと思うわけですよ。



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