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April 28, 2004

 例の怪文書を入手。一通り目を通す。ざっと読んだ感じでは、RIAA(全米レコード協会)とIFPI(国際レコード産業連盟)の意図するところは、「録音物の著作権保護期間延長」と「法定損害賠償制度の導入」が主であって、「並行輸入の規制(=レコード輸入権)」はそのオマケみたいな感じ。

 最初にネットで物議をかもした例の文章「We thus strongly caution against the adoption of discriminatory legislation, and call upon the Government to provide rights to control importation with regard to all repertoire.」については、前後の文脈から判断して、将来的にはすべての音楽カタログが東南アジアでも生産・販売されるだろうという想定の元、戦略的に安い価格設定が行われる東南アジア盤の世界的環流を阻止するために、アーティストの国籍に関係なく、日本でも輸入規制可能な状況を希望していると理解するのが妥当。つまり、RIAA&IFPIの連中からすれば、日本だけを特殊な例として発言している訳ではないようだ。もちろん、その結果、理論的には日本のレコード会社が輸入盤の商売を自由に左右できるようになることは間違いないのだけど…。

 あと、並行輸入の規制(レコード輸入権)に関するコメントの多くは、どうも日本のレコード会社等から知らされた情報をそのまま英文に起こしなおしただけという気配が濃厚で、「並行輸入盤はクォリティーが落ちる」云々と書かれていたりして、どう考えても話がUS・UK盤には当てはまるわけがなく、読んでいて苦笑するしかない。

 録音物の著作権保護期間延長に関しては、アメリカと同じ95年、最低でも70年以上にしろと言ってきている。また、法定損害賠償制度というのは、勉強不足なんだけど、どうやらアメリカでのオンラインビジネス法案、つまりは音楽配信と深い関係があるらしい。どちらにしても、ここまでくると文化庁だけの管轄ではなさそうな気もするのだけど、どうなのかな?

 本当にサラッと読んだだけなので、もうちょっと熟読してから改めて自分なりの感想・意見などをアップできればと思いますが、もっとちゃんとした解釈がすぐにネットへアップされるだろうから、そちらにお任せかな…。


失われたアーク《方舟》を求めて

 最近は夢も希望もないようなニュースばかりが溢れていて、いささかウンザリしていたんだけど、こいつはなんだかワクワクドキドキするニュース! ただし、こいつが「本物」だとすると、また色々と宗教的なことで波紋を呼びそうな気がするな…。


 ここに来て、色々とレコード輸入権に関する動きが大きくなってきた。ミュージックマガジンとロッキング・オンは5月売りの号で、それぞれのスタンスによる記事を掲載するらしい。

 あとは、以下のようなシンポジウムが開催される:
選択肢を保護しよう!!
著作権法改正でCDの輸入が規制される?
実態を知るためのシンポジウム

期日:5月4日
場所:新宿ロフトプラスワン
時間:午後1〜3時
入場無料/ドリンク代500円のみ御負担ください
司会進行:ピーター・バラカン
パネラー:
民主党 川内博史議員
音楽評論家/HEADZ代表 佐々木敦氏
輸入盤ディストリビューター、リバーブ 石川真一氏
ほか(現在、各方面の音楽関係者に打診中)
発起人:ピーター・バラカン、高橋健太郎
協力:藤川毅

この催しは三人の個人有志のみによって運営されます。いかなる団体とも無関係です。
 混んでしまって入場できない可能性も高いけど、とりあえずオレも行ってみるつもり。



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