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March 30, 2005

WinnyはCD売上を減らさず〜慶應助教授の研究に迫る

 Winnyというシステムに限定しての調査だけど、これはいわゆる個人レベルでの(不正)コピーをどう考えるかという話でもある。結論としては、ある境界点までは商業的(経済的)にもポジティブな影響があるけれど、それを超えるとネガティブになるという、まあ社会生活の常識に照らし合わせれば、普通に予測できる範囲内の内容。

 問題があるとすれば、「法律は個別の行動について、いいか悪いかしかない」という思想で全てを律しなければならない社会システムにあるのかもしれない。黒白を必ずハッキリさせなければならない状況は、どこかで破綻をきたすことが多いから。難しいねぇ…。

 それに、「Winnyが被害を与えるのは、CD売上でなくレンタルCD市場、もしくは将来的な音楽配信サービスでないか」という発言も、現状の欧米の著作権的視点で見てみれば、レンタルCDというビジネスそのものがすでに違法行為だったりするし(笑)。

 知財関連のトラブルって、錬金術で作り出された金の持ち主が誰かということを、色んな人が互いに主張して喧嘩してるような風情があるのだけど、一番の問題は、錬金術で金を作り出すことは出来ないという事実だったりする。



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