archives



Amazon.co.jp ƒAƒ\ƒVƒGƒCƒg

links
This page is powered by Blogger. Isn't yours?


May 04, 2004

なぜ、輸入権の立法化が今なのか

 コチラに、オレのいいかげんな与太話よりも、ずっと理路整然とした説明があります。なるほどねぇ。まぁ、依然としてオレとしては、日米租税条約改正は別件の問題であるというスタンスですが…。


 レコード輸入権(通称)にまつわるシンポジウムに参加してきた。実際の内容に関しては、他の多くのWebサイトなどで報告されることだろう(「輸入盤CD規制に関するシンポジウムのメモ」に、かなり詳細な記録があり参考になります)からここでは割愛し、自分自身が現時点でこの問題に関してどう感じているかを以下に整理してみる。

 まず、RIAA/IFPIによるパブリックコメント。この存在は、現時点ではあまり大きな意味合いがないような気がしてきた。前(4/28)にも書いたように、彼らの主張は、「録音物(=CD等の音楽ソフト)の著作権保護期間延長」と「法定損害賠償制度の導入」がメインであり、「並行輸入の規制(=レコード輸入権)」は副次的なものというのがオレの解釈。パネルメンバーからも、レコード輸入権を導入するだけで5大メジャーの日本における儲けが即拡大するわけではないだろうという指摘があった。つまり、輸入盤だろうが、日本盤だろうが、より売りやすい環境が整えば、5大メジャーにとってメリットがあるのであり、輸入権という市場をコントロールできる権利がメーカー側に与えられるのは悪くないといったスタンス。今回、政府からパブリックコメントの募集があったので、ついでだから書きました程度なのではないかと思う。そして、たまたま日米租税条約改正のタイミングと重なったので、なにやら怪しく感じてしまうのだろう。もちろん、結果的に音楽ビジネスにおいては、5大メジャーが美味しい所取りとなるのだけれど、それはまた別の話…。

 また、文化庁の役人や国会議員達からしてみれば、外国の一団体から法案をああしろこうしろと高圧的に指図されるのは、極端に言えば内政干渉であり、彼らのメンタリティーを想像すれば、ネガティブで反発したくなる存在とみるのが自然。おそらく、RIAA/IFPIからのコメントを法案成立への1つの理由には使っても、内心は面白くないと感じているのが正直なところだろう。

 では、一体誰が何のためにレコード輸入権を推進しているのだろうか? オレが出した結論は、やはり国内の誰かということになる。では、誰がメリットを得られるか? ここから先はかなり乱暴な論旨の展開になるということを断った上で書くけれども、まず、JASRACがそのメリットを得られる第一候補だろう。

 日本国内で製造・販売されている音楽ソフトは、一部の例外を除いて、ほぼすべての売り上げから楽曲著作権料が自動的にJASRACへ一度徴収される仕組みになっている。これは洋楽も例外ではない。ところが輸入盤の場合、すでにその製造国で楽曲著作権料の支払が済んでいるため、JASRACによる楽曲著作権料の自動徴収は発生しない。つまり、逆に言えば、輸入盤を無くして全てを国内盤にすれば、JASRACを通過する楽曲著作権料の絶対量が増えるのだ。

 それでは、なぜJASRACがここにきて、輸入盤規制で楽曲著作権料の自動徴収を強化したいと動きだしたのか? おそらく、JASRACの管理者クラスの人達が、洋楽マーケットにおける輸入盤比率の高さに気がついたのが、ここ最近だからではないだろうか(例えばオリコンチャートで輸入盤もカウントするようになった等)。そして、全体的なレコード売り上げ低下に伴う楽曲著作権料収入の減少を補う手段として、洋楽マーケット再編を目論んだということだ。何をバカな推測をと思う人も多いだろうが、JASRACはお役所的な性質が強く、音楽マーケットの実際の動きに比べて、その対応が2〜3歩遅れることが多い。過去の例を挙げれば、フレーズサンプリング問題をずっと無視し続け、「世の中には存在しない」ために対応できないとして処理してきた前科があるだけに、JASRACという組織全体の見解として洋楽マーケットの実態把握ができていなかった可能性は十分にある。

 個人的には、JASRACのおかげで商業音楽が保護され発展してきたという認識もあるだけに、完全な否定はしたくないけれど、ここ最近巷で聞く悪い噂を考えれば、組織の在り方を一度問い質す必要はあるだろう。また、今回の法案改正で、書籍出版物においても貸与権が発生することからJASRAC的な組織を作るという話になっており、こちらもかなり不安要素を感じる。

 最後に、さらに偉そうなこと(笑)を書いて終わります。今回のレコード輸入権を含む著作権法の改正は、世界的な政治の流れの中で、知的財産管理が物理的な殺人を発生しない国家間戦争と同意になってきている事実が大きく影響しているはず。文化庁としては、まずは音楽業界や出版業界を牛耳ることで、知的財産という覇権争いでのメインプレイヤーのポジションを得ることが目標だろうし、そのために今回の輸入権成立では手段を選ばない動きに出たのだろうと思う。そして、そこには消費者(=国民)の権益云々といった思想は最初から含まれていません、なにせ戦争ですから…。



index | bbs | cntact

©2003-2005 what's my scene?