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October 28, 2003

あの「レコード輸入権」問題は一体どうなったのか?

 8月5日に取り上げた「レコード輸入権」の問題だけど、着々と実現化すべく一部の人達が頑張ってるようです(笑)。

 文化審議会のWebサイトから、 「5.著作権分科会法制問題小委員会」の平成15年第4回(2003年9月25日)をクリックすると、色々と議論されている内容をのぞけます(直リンクしようとしたけど上手くいかなかった)。

 すごく気になるのは、「洋盤に関しては、オリジナル国で製造されたものが日本に入ってきて販売されているものについては対象にしようと考えていない」としながらも、レコード輸入権を一旦法制化してしまえば、洋盤の輸入も止めることは可能であるとしている点。どういうこと?

 かなりひねくれた見方をすれば、「何を基準に輸入を規制するかを曖昧にしておけば、後からなんとでもなる」と言ってるような気がしなくもないね(笑)。

 また、配布資料4というリンクをクリックしてみると、「レコード輸入権に関する関係者との協議の状況等について」という文章があって、さらにここから、4−3.「条文案比較一覧表」のリンクをたどると、一番規制が厳しい案では、個人輸入も制限することが検討されてることがわかります。

 あくまでも非常に最悪なパターン(笑)を想定すれば、将来日本では、レコードを海外通販などで購入することもできなくなるということになる。なんか、そういう事態が現実のことになってもおかしくないと思えてしまう今日この頃…。

 結局、CCCDなんかもそうだけど、音楽の話としてじゃなく、単なる政治の問題だと考えれば判りやすいかもしれない。肝心の争点は、利権をどうやって転がすかということだけに集中してるわけだから。その中身がどうなるかは大きな問題じゃないし、結果的にエンドユーザーに不具合が生じても関係なし。

 残念なことに音楽ビジネスじゃ、高速道路みたいにデカイ金は動かないし、メインの顧客は金も力も持たないような若年層とオタクが多いから、政治家は真剣にならないし、マスコミの食いつきも悪いんだよな。もっとも、政治家やマスコミは、もっと重要な問題でさえ解決する力がないようだから、頼ってもしょうがないんだけど(笑)。


 ところで、これって大学が提供する無料のオンデマンド型有線放送みたいなものと考えれば良いのかな?(笑)

 米大学生が開発、「合法・無料」のファイル交換代替システム

 いろいろ考えるよなぁ。アメリカは有線放送という商業メディアがないから、法の抜け道があるのかもしれないね。残念ながら日本の場合、有線放送が商売として存在するがために、この手の行為に対する法的規制はキビシーです。まず無料では成立しないはず…。



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