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August 05, 2003

断固反対、レコード輸入権

 なんかですね、また変な法案を成立させるべく政府が色々やってます。今度のは「知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画」というやつ。

 メチャクチャ乱暴に解釈すると、アメリカ合衆国がハリウッドと共謀して推進する著作権強化運動を日本でも真似してやってみようじゃないかというもので、「一般庶民は、お上と権利を持っている大企業にドンドンお金を払いなさい」みたいな感じの内容(笑)。

 そして、この計画の中に「レコード輸入権」というのが提案されている。これは、「海賊版対策としても有効である海外企業との正規ライセンス締結を促進するため、音楽CDなどの日本への還流を止める」権利なんだそうだけど、平たく言ってしまえば、邦楽アーティストのCDが東南アジア盤などで逆輸入さてホームセンターなんかで安売りされるのを法的に規制しようってこと。当然、この権利の持ち主はレコード会社(もしくはそれに該当するような団体)らしい。

 一見、邦楽CDを買わないオレみたいな人には関係ないように見えるけど、実際に法制化されてしまえば、洋楽の輸入盤も規制対象になる可能性が高い(というか、洋楽だけを規制から除外するなんてあり得ないと思う)。そうなると、様々な流通経路があったおかげで健全な価格競争が反映されてきた輸入盤マーケットも、レコード会社主導の独占市場と化してしまうわけで、必然的に価格も上昇するわけだ。これはなんか変。

 おそらく、売り上げ不振に悩む音楽業界が、政界へロビー活動してこういう法案を出してきたんだろうけど、消費者不在のままCCCDなんていう変なモノも半ば公然と正当化し、次は輸入盤を潰そうというその力の向け方は間違っていると思う。儲からないのは、コピーでも輸入盤のせいでもなく、作っている製品が面白くないからだということを認識して欲しいものだ。ミリオンセラーが雨後の竹の子のようにポンポン生まれた時代もあったけど、あれは何かの間違いだったんだから(笑)。

 しかるに、レコード輸入権は断固反対、阻止されるべきである。

 以下、経済産業研究所 上席研究員 池田信夫 氏のコラムからの抜粋:

 海外から安いCDが輸入されるのを禁止する「レコード輸入権」に至っては、著作者の権利保護と何の関係もない国内業者の保護策である。


PS. Googleで「レコード輸入権」を検索すると、いくつか真面目なサイトがヒットするので、興味のある人は是非そちらを参照して色々考えてください。



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